バンクーバー空港には、公共交通機関「スカイ・トレイン(SkyTrain)」という電車の駅が隣接されていて、簡単に、そして割安で移動することができます。
しかし、空港から電車に乗った場合、空港追加料金「YVR AddFare」として通常の運賃に加え +$5がチャージされてしまいます。
空港からバンクーバー市内に移動する場合の運賃
通常運賃 | 空港追加料金 | 合計 | |
平日 6:30pm まで | $4.25 (2ゾーン料金) | $5 | $9.25 |
土日祝 or 平日 6:30pm 以降 | $3 (1ゾーン料金) | $5 | $8 |
今回はこの割増料金 $5を回避する方法をご紹介します。
大まかには「Sea Island Only 乗車券」で入場し「Exit Ticket」で退場するという方法ですが、意味が分からないという人のために、その仕組みを解説します。
公共交通機関に関する詳細は下記の記事でまとめているので参考にしてください。
コンテンツ
空港追加料金がそもそも免除されるケース
この空港追加料金「YVR AddFare」は、基本的には観光客向けに設定されたものなので、下記の場合はチャージされません。
- 定期券(Monthly Pass)を持っている場合
- Sea Island 外で購入した1日券(Day Pass)を持っている場合
- Sea Island 外で購入した通常乗車券(Compass Ticket)を持っている場合
- Sea Island 内のみの移動の場合
- その他、特別な専用パスを持っている場合
今回はこの中の「Sea Island 内の移動」を利用します。
Sea Island 内の移動は無料
バンクーバー空港がある小さな島「Sea Island」には 3つの駅があり、この間の移動は無料で自由に行き来することができます。2015年にオープンしたアウトレット「McArthurGlen Designer Outlet」も、Sea Island 内の駅「Templeton Station」にあります。空港利用者が待ち時間などに気軽にショッピングに行けるようになっているわけです。
Sea Island Only 乗車券の購入
Sea Island 内を無料で移動するにも駅のゲートを通るための乗車券が必要です。
この乗車券は、通常の券売機で購入することができます。空港の駅の券売機では上の画像のように最初の画面に「Sea Island Only」という選択肢が表示されていますので、こちらを選択します。
すると、料金を支払うことなく、通常の乗車券と同様の紙製の乗車券が出てきます。
この乗車券でスカイトレインに乗車します。ゲートさえ通ってしまえばこっちのもの。
Sea Island Only 乗車券の有効範囲は Sea Island内だけということになっていますので、これを超える場合は本来は無効となります。しかし、実際は乗車中に乗車券をチェックされるケースは、今はまずないので問題はないでしょう。
最終関門の下車&駅からの退出
さて、無事に乗車ができたので、残るは下車した後の駅からの退場です。
スカイトレインの運賃は、基本的に「タップ・イン」 →「タップ・アウト」の時間、その距離をベースに計算されるため、タップアウトは必須となり、もし適切な乗車券を持っていない場合はエラーとなってゲートが開きません。
ただ、バンクーバーの駅などで使用されているゲートは非常に緩いので、エラーとなっても、ゲートを押し通ることができてしまうのが現実です。この力業であれば空港から無料で乗車できることになります。しかしこれはタダの無賃乗車ですのでかなりの上級者向けと言えます。
そこで「Exit Ticket」の出番です。
Exit Ticket でゲート退場
「Exit Ticket」は、乗車券を紛失してしまった場合や乗車券の有効期限が切れてしまった場合など、ゲートを退場するためだけのチケットで、各駅のゲート内(Paid Zone)にある券売機「Exit Ticket Machine 」で購入可能です。
Exit Ticket の料金は、その時点の一番高い乗車券のレートとなります。
Exit Ticket 料金
平日 6:30pm まで | $5.75(3ゾーン料金) |
土日祝 or 平日 6:30pm 以降 | $3 (1ゾーン料金) |
土日祝、または平日 6:30pm以降であれば、1ゾーン料金の $3 だけで空港から目的地まで行けるということになり、結果 $5の節約です。
ただし、平日 6:30pm 前では $3.5($9.25 - $5.75) の節約と、お得感が減ってしまいます。
もし夕方前に到着してしまったものの、意地でも最安値で移動したいという人は、Sea Island 内の McArthurGlenアウトレットにでも寄って時間をつぶして6:30pmになってから移動するというのもアリですね。
バレるリスクとその時の言い訳
2015年以前、Compass Card が導入されるまでは、乗車中に乗車券をチェックされることが稀にあったものの、今はまずありません。Compass Card 導入後、僕もたまにスカイトレインに乗ることがありますが、一度も乗車券のチェックをされたことはありません。
また、僕は日本に一時帰国する場合など、空港から電車に乗る場合は毎回(とは言っても過去に3回ほど)この方法を利用していますが、一度も問題になったことはありません。
ですが、厳密には、Sea Islandを出た瞬間から無賃乗車状態になりますので、万が一、その間にチェックされてバレてしまった場合は、最悪の場合、無賃乗車の罰金 $173 のチケットを渡されてしまう可能性があります。
もし仮に無賃状態の区間で乗車券を見せるよう要求された場合は、下記などの言い訳をすると良いでしょう。
- ポケットやカバンなどを探すフリをして最終的には紛失したという状況に持っていく。
- チャージ可能な Compass Card を持っている人はそれを渡して、しっかりタップインしたと言い張る。
- 持っている Sea Island Only の乗車券を見せて、McArthurGlenアウトレットに行く予定だと伝え、相手に乗り過ぎてしまったと思わせる。
- 持っている Sea Island Only の乗車券を見せて、アウトレットに行く予定だったが行かなくなったので、目的地の駅で清算する予定だと伝える。
上記の言い訳が通るかどうかはあなたの演技次第です。
まとめ
こういった少しグレーな方法というのは、頭の固い人からは不正だと指摘されてしまいがちですが、実は、今回のケースと似た状況は普段の生活でもあり得るのです。
たとえば、1ゾーンの乗車券を購入してスカイトレインに乗車し、2ゾーンまで行ってしまった場合。
この時、厳密には2ゾーンのエリアに入る前の段階で1→2ゾーンにアップグレードするのが TransLinkの規約ですが、実際は到着駅のゲート前でアップグレードする人が多いのが現実です。
この場合、1ゾーンを超えた時点で無賃乗車状態となりますので、途中までは今回と同様の状況です。違いは、最後に清算するか、紛失として Exit Ticketを購入するか、これだけです。
最終的にこの方法を利用するかどうかは、リスクを理解した上で試す価値があるかどうか判断してもらえたらと思います。