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バンクーバーのUber/Lyftドライバーは一体いくら稼げる?レンタルカーでLyftドライバーを1週間やってみた

前回、BC州の Class 4 の取得に関する記事を書きましたが、せっかく免許を取得したわけなので、せっかくなら、Uber/Lyft のドライバーをやってみたいと思い、1週間だけ専用のレンタカーを借りて、Lyft のドライバーをやってみました。

今回は、Lyft ドライバーをやるための専用レンタカーについてと、その車を使って Lyftで実際にいくら稼げたのかについて紹介します。

BC州で Uber/Lyft ドライバーをやるために必要な Class 4ライセンスについては前回の記事を参考にしてください。

Uber/Lyft ドライバー専用のレンタカー

Uber/Lyft などのドライバーをする場合、通常は自分の車を使用するのが一般的ですが、BC州の場合、登録できる車の条件として、「年式が 9年前またはそれ以降」「4ドア5シート以上」「状態が良くダメージのない車」「車両点検に合格した車」などの条件が定められていて、条件に満たしていない車を使用することはできません。また、車両点検は指定の業者で毎年など定期的に行う必要があり、毎回 $100近い費用がかかります。

これらの悩みを全て解決してくれるのがレンタカーです。ただし、レンタカーなら何でも良いわけではなく、Uber または Lyft 各社が提携するレンタカー業者である必要があり、その提携先は各国、都市によっても異なります。

バンクーバーでは現在、「KINTO Share」「Hertz」の2社がレンタルサービスを提供していて Class 4を持っている人なら誰でも利用することができます。車両点検を行う必要もありません。

KINTO Share (Lyft と提携)

TOYOTA が運営するカーレンタルで、バンクーバーでは現在 Lyft のドライバー向けのみにサービスを提供しています。レンタルできる車はTOYOTA の Mirai という次世代の水素燃料電池車。購入したら700万円を超える高級車です。今回僕がレンタルしたのがこの車です。走行可能距離は年式によって異なり、僕の使用していた車は2021年モデルで、満タンで 400~430㎞ 程度でした。水素燃料は現在 $12.75/kg で、2021年の Mirai のタンクは 約4.6㎏ なので、満タンにして $58 程度と、今のガソリンに比べると経済的と言えます。しかし、現在バンクーバー周辺で水素補給ができるガソリンスタンドは、たった3ヵ所のみで、しかも営業時間は全て 7am - 11pm のため、常に余裕をもって補充しておくなどの対策が必要です(水素補充ステーション)。

レンタル期間1週間 ~ 4週間
レンタル料
税抜き
$238 / 週
or 4週間 $828
デポジット無し
レンタル料に含まれるもの保険、走行距離無制限、車両点検など
ピックアップロケーションWestminster Toyota
OpenRoad Toyota Richmond
Destination Toyota Burnaby

車のピックアップ、返却の手続きは全てスマホのアプリで行います。窓口やオフィスが存在しないため、人とやり取りしないで簡単にレンタルすることができます。車のピックアップが完了すると、自動的に Lyft ドライバーアプリ内に車両情報が表示されるようになります。さらに、Lyft専用のサインや携帯ホルダーなど必要な小物は全て最初から取り付けられているため、車をピックアップしてすぐにドライバーとして活動することができます。

kintoshare.ca

kintolyftbc.com

Hertz (Uber と提携)

レンタカーの Hertz が Uberドライバー向けに提供するレンタルサービス。普通車の「Uber X」、廃棄物を排出しない「Zero Emission」、最大6名が乗車可能な「Uber XL」など3タイプから選択できます。現時点、サービスを提供しているのは、Hertz の Surrey 店のみのため、Surrey までピックアップ、返却しに行く必要があります。

Uber XL
Zero Emission
Uber X
レンタル期間1週間 ~ 4週間
レンタル料
税抜き
Uber XL:$399 / 週
Zero Emission:$425 / 週
Uber X:$299 / 週
デポジット$265
レンタル料に含まれるもの保険、走行距離無制限、車両点検など
ピックアップロケーションHertz Surrey

上のKINTO Share同様、車のピックアップが完了すると、自動的に Uber ドライバーアプリ内に車両情報が表示されるようになっています。

uber.com/.../hertz

Lyft の需要と6日の収益

タクシーも充実していて、公共交通機関も整っているバンクーバーで、 Uber/Lyft の需要が果たしてどの程度あるのか、そして何よりしっかりレンタル代を回収できるのか最初は不安でした。

しかし、1度Lyftアプリをオンラインにすると、時間や曜日にもよるものの、自分の意思でオフラインにしない限り、乗車中に次の乗車リクエストが入り続けるほどで、待ち時間なんてほとんどありませんでした。

僕は個人的に夜の運転が好きなので、主に10pm〜3amを基本として、1日平均5時間程度オンラインにしていましたが、6日間で$1,080 稼ぐことができました。時給$36、日給$180の計算になります。ただ、Uber/Lyftには、需要の高い時間やエリアでボーナスが付く仕組みがあり、週末の夜中などはそれが非常に多かったため、実際は平日の日給$160、週末が$200という感じだと思います。

ここからレンタル代とガス代(水素)など経費を差し引くと最終収益は $652 です。ちなみに今回車をレンタルしたのは 7日間なのですが、初日はLyftアカウントに車両情報が反映されず、次の日に Lyft のオフィスに行って解決してもらったため、実質ドライバーができたのは6日のみとなりました。僕のLyftアカウントは、自分の車を登録する形で中途半端な状態で登録が止まっていたからで、普通はスムーズにいくと思います。

売上$1080
レンタル代- $266
ガス代- $162
合計$652

Uber/Lyft のドライバーは仕事としてお勧めする?

まず絶対条件として、運転が好きな人向けであることは間違いないでしょう。運転が不得意な人や運転が好きではない人にはお勧めできませんが、運転が好きな人には最高の仕事になり得ます。

また、特に夜から夜中にかけては色々なタイプの人が乗ってくるので、人との交流が好きな人にもお勧めできます。基本的にドライバーから話しかけない限り、乗客の方から話しかけてくることは少ない印象でしたが、中には最初から最後までずっと話し続ける人もいます。話が弾んで連絡先交換なんてことも普通にあります。最近では Uber/Lyft ともにドライバー、乗客のマスク義務化も撤廃されたため、今後は笑顔を見せ合うこともできて親密度もより高まることでしょう。

しかし良いことばかりではありません。僕は主に夜中に活動していたこともあり、酔っ払いが多く、たった6日間のうちに2回も吐かれました。1回目は大量ではないもの足マットの上に、2回目は信号待ちの間にドアを開けて道路に。どちらも少なからず掃除が必要になり、しばらくの間は匂いが残ります。その他、僕は経験しませんでしたが、車内で飲食され汚されたりなどのケースもあるそうです。今回僕はレンタカーだったので大した問題ではありませんが、自分の車を使用する場合はこの辺のリスクも想定しておかないとなりません。ただ、車内を汚された場合は、写真を撮って Uber/Lyftにレポートすれば補償金がもらえるそうなので、汚されたら逆にラッキーと考えるドライバーもいるそうです。

アメリカなどでは、Uber/Lyft のドライバーが乗客に襲われるなどの事件も起こったりしているようですが、少なくとも平和なバンクーバーではそのような事件はまず考えられず、最悪なケースで“車内を汚される”程度だと思って良いと思います。さらに念のため付け加えることがあるとすれば、コロナなどウィルスに対して恐怖を持っていて、人同士で感染すると信じている人にはあまり向いていないかもしれません。なぜなら、Uber/Lyftでは空港へのピックアップも多く、国内外を含む旅行者の乗客が多く含まれます。不特定多数の人と狭い密室空間で一緒になるこのような環境は、ストレスにしかならないからです。

稼ぐのだけが目的ならフード・デリバリー?

バンクーバーでは、Uber/Lyft のドライバーから、Uber Eats などのフード・デリバリーに転職する人が多いそうです。その理由はコスパです。まずドライバーの方は、最初に Class 4 ライセンスの取得が必要な上に、比較的高条件を満たす車を用意する必要があり、さらに毎年車両点検の結果を提出しないとならなず、それらの費用は当然全て自費です。

一方、デリバリーの方は、始めるのに特別なライセンスは不要。使用する車の条件はなく、また車以外にも自転車や電気スクーターなどを使用することができるので初期費用は圧倒的に安く済みます。車以外を使用すればガソリン代などの経費すらもほぼゼロにすることができます。

このように、ドライバーの方はスタートするための敷居が高く継続するための経費も高い割に、実際に得られる収入に関してはデリバリーと比べて大きな差がないようなのです。時期、時間、場所によってはむしろデリバリーの方が稼げると話す人もいるほどです。これらの理由から、収入だけが目的なら、もしかしたら デリバリーの方が良いのかもしれません。

それならなぜわざわざコスパの低いドライバーをやるのか?それは、単純に「運転が好き」ということに尽きるのではないかと思います。

ちなみに僕はと言うと、仮に収入に差があったとしても、やるとしたらドライバー 一択です。ちょくちょく駐車して下車してフードをピックアップ、ドロップオフしないとならないのは面倒。それならずっと車の中にいて運転だけに気を使いたいわけです。また、僕はどちらかと言うと、カスタマーサービス精神が少しある方なので、それを提供できるドライバーの方に楽しみを感じます。

特にこれからUber/Lyft のドライバーを目指そうと考えている人は、今回の記事の内容を参考に、そもそも時間とお金をかけてまで Class 4 のライセンスを取得する価値があるのか是非じっくり検討してみてください。

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hidepooh

日本では主にUNIXサーバーの構築、運用などに携わり、2006年に仕事を辞めてカナダに来てそのまま永住。 カナダでは、日本からカナダに留学や永住、ビジネスで渡航する人たちのサポートを行う傍ら、専門分野+趣味でもあるWeb制作、運用を継続しながら、最近では写真/動画撮影、動画制作、モーショングラフィックなど、新しい分野のスキルアップに励んでいます。 Peas Code は、僕が過去の経験の中で学んだことを、特定の分野に限定せず公開していくことを目的としています。中にはコードに見えてしまうような意味不明な僕独自の理論も含まれますが、知っていると平和になれると言う意味で、Peas(peace → peas) Code と名付けました。これが意味不明か・・・。 僕について、もうちょっと詳細を知りたいという変わった人は[About me]を見てください。

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