SDカードの種類と写真・動画撮影向けSDカードの選び方

カメラやボイスレコーダーなど、電子機器全般で最も使使用されている記録媒体と言えば「SDメモリーカード(SDカード)」。実はSDカードには様々な規格があり、使用する電子機器に合わせて選ばないと正しく動作しなかったり、最大の性能を引きだせなかったりします。

SDカードの規格は、SDアソシエーション(SD Association)という非営利団体によって定められています。

今回は、このSDカードの種類と選び方について紹介します。

サイズ(フォームファクタ)

まず、一番大きな違いであるサイズですが、SDカードには、「SDカード(標準)」「miniSDカード」「microSDカード」の3種類が存在します。ただし、「miniSDカード」は「microSDカード」に置き換わり、現在市販されている機器では採用しておらず市場で見かけることはなくなりました。

古い携帯電話など「miniSDカード」を採用している電子機器を使用しないとならない場合は、専用アダプターを使用することで解決できます。

SD カード
24 mm
32 mm
厚さ2.1 mm

miniSD カード
20 mm
21.5 mm
厚さ1.4 mm

microSD カード
15 mm
11 mm
厚さ1.0 mm

2020年現在、「miniSDカード」は市場からほぼ消えて実質廃止となっているため、以下からは「SDカード」「microSDカード」のみに絞って解説していきます。

SDカードの表記

カードのサイズに関わらず、SDカードの表面に共通の記号や数字が記載してあり、そのカードの種類や性能を一目で判断することができるようになっています。

規格

記録可能容量によって「SD」「SDHC」「SDXC」「SDUC」の4つの規格に分かれている。

容量

記録できる容量。2GB、4GB、8GB、16GB、32GB、64GB、128GB など、2の倍数の容量が一般的。

読み取り速度

メーカー独自測定の最大転送速度。メーカー、製品によっては記載なし。あくまで参考程度の数値。

ビデオ・スピードクラス(NEW)

最低書込み速度を保証する最新の規格。V6/V10/V30/V60/V90 の5種類。

バスインターフェース

最大転送速度(帯域)を示す規格。デフォルトスピード/ハイスピード/UHS- I/UHS- II/UHS- III/SD Express の6種類。

スピードクラス(初期)

最低書込み速度を保証するために制定された初期の規格。Class 2/4/6/10 の4種類。

UHSスピードクラス

最低書込み速度を保証する規格。U1/U3 の2種類。

アプリケーション・スピードクラス

アプリケーションの実行における、最低処理能力を定めた規格。 A1/A2 の2種類。

規格と容量の関係

SDカードは、記憶できる容量によって規格、ファイルフォーマットが異なり、それに合わせてロゴが変わってきます。そのため購入の際は、容量さえしっかり把握しておけば、規格を意識する必要はありません。

規格SD
or microSD
SDHC
or microSDHC
SDXC
or microSDXC
SDUC
or microSDUC
容量– 2GB2GB – 32GB32GB – 2TB2TB –
ファイルシステムFAT 12 / 16FAT 32exFATexFAT

保存できるデータ量の目安

16GB32GB64GB128GB256GB512GB
画像
(1600万画素)
2,000枚4,000枚8,000枚16,000枚32,000枚64,000枚
4K動画
(25fps)
28分56分1時間52分3時間44分7時間28分14時間56分
FHD動画
(24fps)
40分1時間20分2時間40分5時間20分10時間40分21時間20分

スピード規格

SDカードは容量の他、転送(読み/書き)速度に関する規格が定められていて、また、SDカードを挿入する機器側にも要求カード性能が指定されていますので、その規格に合ったものを選択します。通常は、同等のものか、それ以上の性能のカードを選びます。

スピードクラス

SDカードの速度を表す規格は、転送速度の高速化により従来の「スピードクラス」から「UHSスピードクラス」そして「ビデオ・スピードクラス」と新しい規格が追加制定されてきていて、現在それらが混在している状況です。将来的には「ビデオ・スピードクラス」に統合されていく可能性もあります。

スピードクラス(初期)UHSスピードクラスビデオ・スピードクラス(NEW
2006年2010年2016年

スピードクラス(初期)

最低書込み速度を保証する規格。2006年のSDHC規格登場と同時に、データ転送速度の目安として制定された初期のスピードクラス。Class 24610 の4種類。

書込み保証速度スピードクラス
10MB/秒
6MB/秒
4MB/秒
2MB/秒

UHSスピードクラス

最低書込み速度を保証する規格。SDXC登場後、最初にU1、その後U2が追加。U1U3 の2種類。

書込み保証速度UHSスピードクラス
30MB/秒
10MB/秒

ビデオ・スピードクラス(NEW)

最低書込み速度を保証する規格。4K/8Kなどの高画質・高品質映像記録の機器向けに制定された最新の規格。V6V10V30V60V90 の5種類。

書込み保証速度ビデオ・スピードクラス
90MB/秒
60MB/秒
30MB/秒
10MB/秒
6MB/秒

3つのスピードクラスの比較

上の3つのスピードクラスを同じテーブルに入れると下記のような表になります。

書込み保証速度スピードクラスUHS
スピードクラス
ビデオ
スピードクラス
90MB/秒
60MB/秒
30MB/秒
10MB/秒
6MB/秒
4MB/秒
2MB/秒
上記は非表示 –>

バスインターフェース

最大転送速度(帯域)を示す規格。デフォルトスピード(DS)ハイスピード(HS)/UHS- IUHS- IIUHS- IIISD Express の6種類。UHSは “Ultra High Speed”の略。

バスインターフェースロゴ最大スピード性能
デフォルトスピード(DS)12.5MB/s
ハイスピード(HS)25MB/s
UHS- I50MB/s – 104MB/s
UHS- II156MB/s – 312MB/s
UHS- III312MB/s – 624MB/s
SD Express985MB/s – 3940MB/s

道路で例えると車線数の数。I → II → III ・・と車線が増え多くの交通量に対応でき、車がスピードを出して走れるイメージ。そして、上で紹介した「スピードクラス」は道路を走る車の大きさ&性能と考えると理解しやすいかと思います。

バスインターフェースとスピードクラスの関係

「バスインターフェース」の種類によって、実装可能な「スピードクラス」が異なります。

  • スピードクラス(初期)
    246 は「デフォルトスピード(DS)」、10 は「ハイスピード(HS)」で実装可能。
  • UHSスピードクラス
    13 共に「UHS-I/II/III」で実装可能。
  • ビデオスピードクラス(NEW)
    V6
    V10 は「ハイスピード(HS)」or 「UHS-I/II/III」、V30 は 「UHS-I/II/III」、V60V90 は「UHS-II/III」で実装可能。

アプリケーション・スピードクラス

スマートフォンやタブレットなど、SDメモリカードにインストールされたアプリケーション向けに制定された規格で、アプリケーションの実行における、ランダム読込/書込、シーケンシャルの最低処理能力を定めています。A1A2 の2種類。

カメラやオーディオレコーダーなどの機器で要求される規格ではないので、特別なケースを除いてあまり意識する機会はないかもしれません。

クラスランダムリード
最低処理速度
ランダムライト
最低処理速度
シーケンシャル
最低処理速度
1500 IOPS500 IOPS10MB/s
4000 IOPS2000 IOPS10MB/s

選び方

SDカードを選ぶ際の大きなポイントは、容量性能ブランド3つになるのではないかと思います。

容量

容量については、どんなデータを保存するのかによって全く異なりますが、最近はSDカードも大容量化していて超最新、超大容量のモデルでない限り、比較的安く購入できますので、少し余裕を持った容量を選んでおくと安全です。

主に写真がメインで、たまにHDD動画のクリップを撮るくらいなのであれば、最低 16GB以上、4K 以上の動画メインで使用することを検討しているのであれば、使い方によっては 32GB でも物足りないので、64GB以上はあった方が良いでしょう。

性能(速度)

実際に販売されているSDカードの中には、その規格が制定される以前の商品だったりなど、全ての規格が表記されていないこともあり、利用する機器が要求する性能のSDカードがどれなのか、結構迷ってしまうことがあります。

デジタルカメラ/ビデオで使用するSDカードを選ぶ場合は、動画撮影の有無、その解像度を絞ることで、ある程度必要な性能は見えてきます。たとえば 4K動画の撮影が目的であれば、下記の表を見ると一目瞭然、「ビデオスピードクラス V30 or V60」もしくは「UHS Speed Class U3」の性能が目安となります。

今回は例として、YouTuberに人気 Panasonic GH5 のSDカード要求性能を見てみましょう。下記は GH5 公式マニュアルのSDカードに関するページの抜粋です。

この中で要求性能が一番高い4K動画の項目を見ると、「UHS Speed Class 3(U3) 」となっていますので、この要求に応えられるSDカードを選択すれば間違いないということになります。

ブランド(メーカー)

ブランドは品質や信頼性、そして機器との相性にも関係してきます。とは言っても、性能規格が同じであれば、一般市場に出回っているものでそれほど大きく変わることはないので、ブランドの好き嫌い、予算で判断しても良いのではないかと思います。

下記にいくつか日本で販売されている有名ブランドを紹介しておきます。商品リンクは全て 「容量:64GB 」+「 性能:4K動画撮影可」を最低基準とし、通常スペック最高スペックを選択しています。

また、購入場所は、店頭よりもオンライン、特に Amazonが安い印象です。

SanDisk(サンディスク)

品質、信頼性共に世界トップクラス。同じ性能で比較すると少し割高だが、間違いないブランド。

4K動画までしっかり撮れる性能と十分な容量でリーズナブルなSDカード。
UHS-II のバススピードを搭載した現在売られているSanDiskの中では最高レベルの性能。6K以上の動画撮影にも対応可能。

Transcend(トランセンド)

老舗台湾ブランド。大容量、高性能の割に価格が安いと評判。

4K動画までしっかり撮れる性能と十分な容量でしかも耐久性に優れたリーズナブルなSDカード。
UHS-II のバススピード、ビデオスピードクラスV90の最高レベルの性能で格安。4Kはもちろん、6K以上の動画撮影にも対応可能。

Kioxia(キオクシア)

2019年にToshibaから社名変更。世界トップクラスのシェアを誇る日本製。信頼が高く価格は安め。Wi-Fi機能を搭載した「FlashAir」も販売。

4K動画までしっかり撮れる性能と十分な容量。信頼性抜群のSDカード。
4K動画までしっかり撮れる性能と容量に、WiFi機能を搭載したSDカード。撮った写真をすぐにワイヤレスでスマホやタブレットに転送可能。

Lexar(レキサー)

2017年にフラッシュメモリ事業を撤退し中国のLongsys社が買収。性能や容量に対して価格はかなり控えめ。

4K動画が撮影できる性能と十分な容量で超格安。
4K以上の動画撮影にも十分耐えうる、UHS-II のバススピード、ビデオスピードクラスV60の高性能で、なおかつ超リーズナブル。

Sony(ソニー)

高性能で高級なSDカードから、コスパ重視のSDカードまでラインナップも豊富。Sony製品の機器で使用するSDカードなら相性はバッチリ。

4K動画が撮影できる性能と十分な容量。同性能で他社製と比べるとちょっと割高。
6K以上の動画撮影にも十分耐えうる、ソニーの中では最も高性能で耐久性に優れる「Tough」モデル。UHS-II のバススピード、ビデオスピードクラスV90の超高性能の割にはリーズナブル。

Panasonic(パナソニック)

高耐久性を売りにしているSDカードが多く信頼面では間違いない。容量や性能面で比較すると割高なイメージ。

4K動画が撮影できる性能と十分な容量。同性能で他社製と比べるとちょっと割高。
6K以上の動画撮影にも十分耐えうる、Panasonic で最も高性能モデル。UHS-II のバススピード、ビデオスピードクラスV90の超高性能の割にはリーズナブル。
この記事を書いた人

日本では主にUNIXサーバーの構築、運用などに携わり、2006年に仕事を辞めてカナダに来てそのまま永住。

カナダでは、日本からカナダに留学や永住、ビジネスで渡航する人たちのサポートを行う傍ら、専門分野+趣味でもあるWeb制作、運用を継続しながら、最近では写真/動画撮影、動画制作、モーショングラフィックなど、新しい分野のスキルアップに励んでいます。

Peas Code は、僕が過去の経験の中で学んだことを、特定の分野に限定せず公開していくことを目的としています。中にはコードに見えてしまうような意味不明な僕独自の理論も含まれますが、知っていると平和になれると言う意味で、Peas(peace → peas) Code と名付けました。これが意味不明か・・・。

僕について、もうちょっと詳細を知りたいという変わった人は[About me]を見てください。

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