2020年急速に普及したサービスの1つ「ライブ配信」。
普段、写真や動画は撮っているものの、ライブ配信は初めて。でもどうせやるならプロフェッショナルに配信したいという人にピッタリな商品「Blackmagic Design | ATEM Mini」を紹介します。
Blackmagic Design | ATEM Mini
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemmini
コンテンツ
梱包品
- ATEM Mini 本体
- 電源本体と多国に対応した取り替え可能プラグ一式
- 説明書、セットアップガイド、ステッカーなど
PCと接続するためのUSBケーブル、イーサネット接続のためのLANケーブルは付属していませんので必要に応じて別途用意する必要があります。
USBケーブルに関しては、特別なケースを除きほぼ必須となるので、もし持っていない場合は準備しておいた方が良いでしょう。
- USBケーブル
ATEM Mini 本体とPCの接続に必要。ATEM Mini の場合は Type-C 2.0対応、ATEM Mini Pro/ISO の場合は Type-C 3.1 対応。 - LANケーブル
ATEM Mini 本体とルーターやハブ、もしくは、直接PCに接続する場合に必要。ATEM Mini は「10/100 BaseT」Pro/ISO は「10/100/1000 BaseT」対応。
PDFマニュアル(日本語あり)https://documents.blackmagicdesign.com/UserManuals/ATEM_Mini_Manual.pdf?_v=1601017210000
ATEM Mini とは?
ATEM Mini は、総合映像機器メーカー Blackmagic Design が2019年末に一般向けに販売した比較的低価格なキャプチャ・デバイス兼、プロダクション・スイッチャーで、長い間売り切れ状態が続くなど、多くのYouTuberやその他ライバー(ライブ配信者)に大きなインパクトを与えた超人気商品です。
ATEM Mini の特徴
- 最大4つの映像入力(HDMI)ができ、キャプチャ・デバイスとして使うことができる
- 最大2つのオーディオ入力(3.5mm端子)ができる
- 接続された4つの映像をエフェクト付きで切り替えができる
- 接続された2つのオーディオと、映像(HDMI)から入力されたオーディオ計6つ(12チャンネル)のオーディオのミキシングができる
- 入力した映像はUSB経由でWebカメラとして出力できる
- 最大 1080p60 までの出力に対応
- Mac/Win対応「ATEM Software Control パネル(無料)」でさらに細かい設定やスイッチングが可能
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K/6K を接続している場合に限り、HDMIを介してフォーカスやズームなどカメラの操作が可能
実物が届いて気づいたこと
- 手にするまでは安っぽいプラスチックの外観を想定していたが、思ったよりも重量感/高級感がある
- ファンが内蔵されていてファームウェアのアップデートなど負荷がかかった場合のみファンの音が聞こえる
- 電源スイッチがない
カメラの映像をPCに取り込むだけの目的でも大活躍
ライブ配信が普及し、ミラーレス一眼などを Webカメラとして使いたいという要望は増えてきていると思いますが、これって簡単に思えて実は意外と大変なのです。そもそも一般的なPCには、HDMI出力はあっても入力の機能は備わっていないため、カメラからの映像(または音声)をパソコンに取り込むには、「キャプチャ・デバイス」が別途必要となります。一部のカメラでは、専用のソフトウェアが用意されていて、USBケーブルとPCを直接接続するだけで映像を取り込める機能を備えている場合もありますが、あまり一般的ではありません。
ちなみに、1台のカメラをWebカメラとして使用したいだけなら、下記「Elgato Cam Link 4K」も人気商品の1つとしてよく紹介されていますが、金額が16,000円程度とそれほど安くはありません。一方、ATEM Mini は通常販売価格が36,000円程度 と 2倍ちょっと。機能面における差の割には金額面でそれほど大きな差がないというのも、ATEM Mini の人気の理由の1つです。
中には、数千円程度の安価なHDMIキャプチャ・デバイスもありますが、レビューを見る限り、表面的なスペックが同じでも、メーカーによって取り込んだ映像の質が変わるようなので、その辺の可能性も含めて検討する必要がありそうです。
ATEM Mini/ATEM Mini Pro/ATEM Mini Pro ISO の違い
「ATEM Mini」が2019年11月に販売開始され、続いて「ATEM Mini Pro」「ATEM Mini Pro ISO」と機能追加されたモデルが販売されました。
上位機種になるにつれて機能が増えていくわけですが、PCに接続して映像やオーディオを切り替えるという基本的な機能は全てのモデルで行えます。上位機種で利用できる機能は下記のとおりです。
ATEM Mini Pro / ATEM Mini Pro ISO 共通機能
- 「マルチビュー」の出力が可能で、HDMI Outputに接続したモニターに、4つの映像のプレビューやステータスを表示できます。
- 配信画面を外付けUSBディスクに保存できます。保存形式は「.mp4ファイル(H.264)」。
- イーサネット接続することで、PCを介さずに直接ライブ配信できます。
ATEM Mini Pro ISO の機能
- 配信画面と各HDMI x 4 の計5ストリームを外付けUSBフラッシュディスクに別々に保存できます。また「.mp4ファイル(H.264)」に加え「DaVinci Resolveプロジェクトファイル(.drp)」両方が作成されるので、DaVinci Resolve での編集作業を迅速化できます。
全モデル共通で本体にUSBポートは1つしかないため、外付けUSBディスクに接続した場合、管理用ソフトウェアの操作は、イーサネット接続したネットワークを介して行う必要があります。
各モデルのスペック比較については下記の表を参考にしてください。
ATEM Mini | ATEM Mini Pro | ATEM Mini Pro ISO | |
---|---|---|---|
価格(税抜き) | 35,980円 | 67,980円 | 106,800円 |
ビデオ入力 | 4(HDMI) | ||
オーディオ入力 | 2(3.5mmステレオミニ) | ||
USBタイプ | USB Type-C 2.0 x 1 | USB Type-C 3.1 Gen1 x 1 | |
最大出力フォーマット | 1080p60 | ||
マルチビュー出力 | - | 可 | 可 |
収録機能 | - | 配信画面を外付けディスクに録画 | 配信画面+各HDMI x 4 の計5ストリームを外付けディスクに録画 |
収録形式 | - | .mp4ファイル(H.264) | .mp4ファイル(H.264)+ DaVinci Resolveプロジェクトファイル(.drp) |
ライブ配信 | USB接続したPC経由 | USB接続したPC経由 or イーサネット接続してPCなしで配信可能 |
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発売開始日 | 2019年11月 | 2020年4月 | 2020年8月 |
ATEM Mini が必要な人
さて、低価格の割に超高機能な ATEM Miniですが、実際どんな人に適した機材なのでしょうか。
僕は実は、ただ Zoom/Skypeミーティングで一眼レフカメラを使いたいという目的で情報収集している内に ATEM Mini に辿り着きました。ライブ配信をやるつもりはなかったのですが、通常のキャプチャ・デバイスと金額面で大きな差がないのであれば、より多機能な「ATEM Mini」にしておけば確実、という程度の気持ちで購入。結果、今だにマルチカメラの機能を使っていないので、ただの宝の持ち腐れです・・・。
結局のところ、ATEM Miniが必要な人は、
2台以上のカメラやゲーム機など、2つ以上のHDMI入力ソースを切り替えたい人 です。
僕のように一眼レフ/ミラーレスカメラ の映像1つと、PCの画面を配信したいだけなら、上でも紹介した「Elgato Cam Link 4K」などで十分だったりするのです。と言うより、必要な時に引き出しから取り出して設置するという使い方をしたいような人には、スペースも電源も不要な「Elgato Cam Link 4K」の方がむしろ便利かもしれません。
ATEM Mini は素晴らしいスイッチャーですが、カメラなど複数の映像ソースを切り替える配信を行う人にこそ価値を見出せる機材だと思います。
お金に余裕があるなら高い方が良いということでもないので、自分の用途をしっかり見定めた上でどのキャプチャー・デバイスが良いか検討してください。