高額で超巨大だが過去最高の光学性能を誇る、と言われている Canonの RF大口径単焦点レンズ「RF 50mm F1.2 L」を購入し実際に数ヶ月使用してみたので、今回はレビュー含めた商品紹介です。
RF 50mm F1.2 L は、2018年秋にCanon初のフルサイズミラーレス一眼「EOS R」と同時に発売された4本のレンズのうちの1本で、キャノンを代表する神レンズとも言われています。
50㎜ は、人間の視野画角に最も近いため標準レンズとも言われているわけですが、実は僕は 50㎜ の単焦点レンズを持つのは初めてです。今回はあくまでも50㎜ 単焦点の超初心者の視点となりますので悪しからず・・・。
上記写真では、「JJC マルチコーティング 77mm UVフィルター」 を取り付けてあります。
コンテンツ
RF 50mm F1.2 L 基本情報
仕様
販売価格 | 321,750円 (2021年9月時点) |
タイプ | 単焦点 |
センサーサイズ | フルサイズ |
画角 | 水平 40° / 垂直 27° / 対角線 46° |
レンズ構成 | 9群15枚 |
フォーカス方式 | 前玉(前群)繰り出し方式 (内筒が前後に移動するが全長は固定) |
最短撮影距離 | 40 cm |
フィルター径 | 77mm |
絞り | F1.2 - F16 |
本体機能 | AF/MF切替え 撮影距離範囲切替え(0.4m~∞ / 0.8m~∞) コントロールリング(シャッター/絞りなど登録可) |
手ブレ補正機構 | 非搭載 |
サイズ | 89.8 × 108 mm |
重量 | 950 g |
付属品
標準の付属品は下記のとおりです。
- レンズ本体
- 革ケース
- フード(プラスチック)
- キャップ(前後)
- マニュアル&保証書
付属するケースは何十年も前からずっと同じ革製の巾着。時代の流れ的にも、革以外の環境の良い素材に変えれば良いのにな。
フォーカス方式
一般的に、レンズのフォーカス方式には下記の3タイプがあります。
- 全群(全体)繰り出し方式
- 前玉繰り出し方式
- インナーフォーカス
技術的な話は抜きにして、僕は、多少サイズが大きくなってしまっても筐体サイズが固定で、動く部分が外に出ていないインナーフォーカスが好きなのですが、このレンズは、筐体サイズが大きいにも関わらず、前玉繰り出し方式。しかし、前玉は筐体からはみ出ないので、フィルターなどを付けてしまえば、フォーカスで動作する部分を完全に密閉することができ、一見インナーフォーカスのようになります。
RF 50mm F1.2 L の良い点/良くない点
EOS 5D MK2 → 5D MK3 → R6 と移行してきた僕が、EOS R6 とのセットで実際に数ヶ月使用してみて、良いと思った点、良くないと感じた点を紹介します。
良い点
- 開放F1.2の明るさ
F1.2 だけあって、暗いところの撮影でもかなり綺麗に撮れます。このレンズを買ったことでNDフィルターの必要性が高まりました。 - 超シャープな解像力
他のレビューでも言われている通り、中央から隅までとにかくシャープな写真が撮れます。 - F1.2 開放でのピント性能
“EF” 50mm F1.2L USM では、F1.2でのピントがイマイチと言われていたようですが、このレンズは F1.2でも希望の部分にしっかりピントが合います。F1.2でバシバシ撮影を楽しめます。 - ボケの表現力
ボケの表現力はとても綺麗。開放時F1.2 ~ F2 など条件によっては周辺のボケがレモン型になります。
良くない点
- デカい
購入する前から分かっていたことですが、やはりデカい。“EF” 50mm F1.2L USM と比べても1.6倍の重量。ミラーレスでボディは小さくなっているのにも関わらずレンズは EF よりもデカいためアンバランス。写真撮影であれば問題ないものの、ジンバルなどに載せて動画を撮ることを想定している場合はサイズと重量を考慮したジンバル選びが重要です。 - 動画撮影時のオートフォーカスの音が少し気になる
写真撮影では全く気になりませんが、動画撮影のフォーカス時、レンズ自体が重くてデカいだけあって、前玉が前後する時の音、振動が少しだけ気になります。内部マイクだとこれらの音も拾ってしまいます。 - 手振れ補正がない
50㎜ なのであまり必要性はないかもしれませんし、カメラ側に手振れ補正があれば十分だと思います。指摘しているレビューがいくつかったので一応・・・。 - 外装がプラスチック(ポリカーボネイト製)
R6 同様、僕が一番気に入らない点です。軽量で特定の条件ではマグネシウム合金よりも丈夫という言い訳は聞きたくありません。要するにコスト削減です。これだけ高額なレンズにも関わらず、他社では主にローエンドから一部ミドルレンジ製品で使用される材質を採用したことに腹が立ちます。質が悪いという意味ではなく所有感の問題です。
サンプル写真
EOS R6 + RF 50mm F1.2 L で撮影したバンクーバーの写真をいくつか紹介します。
まとめ
何を基準にするかによっても満足度は異なりますが、少なくともこのレンズで撮影した写真のクオリティに関しては非の打ち所がありません。幅広い場面で使えるので、最近はこのレンズしか持ち出さないほど満足しています。
ただ僕は個人的に、製品の性能以上に、その製品の外装や部品の素材や質を重要視し、それによって所有感が満たされる性格なので、記事の中で書いたように、EOS R よりも高額な R6 をはじめ、RF Lレンズの外装にプラスチック(ポリカーボネイト)を採用している Canon には心底幻滅しています。
おそらく僕と同じような気持ちの人もいると思うので、あえてこの部分を強く指摘してみました。
また、僕が使っている R6 は、写真とビデオをちょくちょく切り替えて撮るハイブリッドユーザーには、操作性や機能面においては非常に使いづらく、やはりこのカメラは写真機なんだなと改めて感じています。
去年初めてミラーレスに足を踏み入れた僕ですが、色々と不満点が募ってきていて、正直、Canon が僕の理想からどんどん離れてしまっているような気持ちになっている今日この頃です・・・・。