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カメラ用バックパック買い替えで結局「Peak Design Everyday Backpack(エブリデイバックパック)V2 - 30L」に辿り着いた話

実は最近カメラ用バックパックを買い換えました。僕は元々出し入れが簡単なショルダーバッグを使うことが多く、バックパックは荷物が多くてどうしても入りきらない時など、あくまで緊急用、二次的存在でした。去年このブログで紹介した ドイツ製カメラ用バックパック「Compagnon Element」 は、カメラ用バックパックとしてはとても優秀であったものの、やはり二次的存在であることには変わらず、使う機会が非常に少なく宝の持ち腐れとなっていたため、まだ新品に近い状態のうちに売ってしまうことにしました。$300希望で出品し、結果大分値引きして$240 で売りました。

とは言え、バックパックがなくなってしまうと、それはそれでいざという時に不便。そこでこの二次的存在の枠を超えられそうなバックパックがないかと改めて調べまくった結果、今回紹介する「Peak Design Everyday Backpack V2 30L」に辿り着いたというわけです。

Peak Design とは?

Peak Design はサンフランシスコ発のカメラ用品ブランドで、2010年に Kickstarter(キックスターター) で資金調達に成功。その時に紹介された最初の商品が、カメラを素早く着脱できるアイテム「Capture」で、今じゃカメラ好きで知らない人はいないほどにまで浸透しました。日本では「銀一株式会社」が正規代理店を務めています。

その後、Capture のバージョンアップと並行し、独特のデザインと機能性に優れたやストラップやバックパック、スリング、メッセンジャーバッグ、三脚など様々な商品を開発しています。

Peak Design の特徴
  • 全ての商品が生涯保証
    通常の使用において機能が損なわるなどの破損、故障があった場合は生涯無料で修理または新品交換。
  • クオリティが高く壊れにくい
    普通に使用している限りでは破損、故障しにくい質の高い造り
  • 機能性に優れている
    通常の使用においての機能はもちろん、一歩先行く機能が盛り込まれている
  • バッグ類の多くは内側ポケット
    バックパックやスリングなどのほとんどのポケットは内側にあるため、モノを入れるとバッグは外に膨らまない代わりに内側のスペースが占有される。
  • 価格が高め
    同類製品の中では決して安い方ではない

Everyday Backpack V2 の概要

Everyday Backpack は、その名の通り、普段の生活で使用を想定したバックパックで、カメラ用バックパックとしてはもちろん、通学通勤、または小旅行時のバックパックとしても違和感なく使用できます。

両サイドのファスナーからメイン収納スペースにアクセスすることができ、バッグをおろさずに機材を取り出すことができます。また、バッグの外装には、100パーセントリサイクル素材の400Dナイロンを採用していて、丈夫で生活防水に対応しています。20Lは15インチのラップトップ、30Lは16インチのラップトップを収納できます。

Everyday Backpack は、2019年に バージョン1(V1)から バージョン2(V2)にバージョンアップされ、その後、V1 は在庫処分として割引販売していましたが、現時点では V1 の在庫は希少で購入は難しいため、 V2 一択となると思います。

Everyday Backpack V2 スペック
販売価格52,800 円
カラーBlack、Charcoal、Midnight
Ash(20L のみ)
容量30L:通常22L - 最大30L
20L:通常17L - 最大20L
外寸30L:高48.5 × 幅33 × 奥27cm
20L:高46 × 幅33 × 奥21cm
重量30L:2.11kg
20L:2.01kg

付属品

  • バックパック本体
  • 中仕切り x 3
  • チェストストラップ × 1
  • 伸縮アンカーリンクストラップ x 1
    購入時はサイドポケットに収納されています。
  • キャリーストラップ 短 x 2、長 x 2
    購入時、短い方はサイドポケット内に、長い方は底の隠れポケットに収納されています。

V1 ではウエストサポートベルト(ヒップベルト)が付属していましたが、V2 では 別売り(5,390円)となりました。

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Everyday Backpack V2 30L の良い点

機能性が高く品質が良い上に生涯保証であることなど、Peak Design 製品全般に共通した良い点はいくつかありますが、ここでは、Everyday Backpack V2 に特化した、僕が個人的に感じている良い点を紹介します。

両サイドからのフルアクセス

バックパックを地面に下ろさず両サイドからメインの収納スペースにフルアクセスできるのは、このバックパックの一番の特徴だと思います。ショルダーとバッグパックの良いとこ取りをしたバックパックと言えるのではないかと思います。

通常のカメラバッグでも片側からのサイドアクセスはできますが、カメラのみを取り出す程度の大きさのものがほとんどで、レンズ交換などする場合は結局地面に下ろさないとなりません。そうなると、屋外での移動しながらの撮影の場合、出し入れやレンズ交換が便利なショルダーバッグの方を選択してしまいます。要するに僕にとってバックパックはショルダーに入りきらない量になった時にやむを得ず使用する存在になってしまっていたわけです。前回購入したバックパック「Compagnon Element」をほとんど使わなかったのは結局これが理由です。

一方、Everyday Backpack の場合、バックパックの収納力と持ち運びのラクさを維持しつつ、ショルダーと同様の便利さを失っていないという点が大きなメリットだと感じています。

厚みのあるクッション外壁

Peak Design の全バックパックに共通して言えますが、厚みのあるクッション外壁が全体を覆うような造りになっているため、バッグの形状が崩れにくく、また外からの衝撃を吸収し内部全体を守ってくれます。

僕は店頭でいくつかのカメラ用バックパックを比較しましたが、実際に触ってみて改めてEveryday Backpack のクッション性の高さと、高級感の違いを感じ、悩みが吹っ飛び即決に至りました。

丈夫な取っ手が上部とサイドに計3つ

丈夫で大きめのしっかりした取っ手が上部と両サイドにあるため、背負わない時でも持ちやすいのも、他のバックバックと十分に差別化できる良い点として挙げられます。

ショルダーストラップの上部が回転式

Peak Design の全てのバッグに共通して採用されている、回転式ショルダーベルト接続部は最も画期的な仕組みと言えます。

ショルダーやバックパックの多くは、この部分に大きな負荷がかかるため、使用を重ねることで変形、または最悪破損してしまいます。実際僕が過去に使ってきた多くのバッグ類も、切れるまでには至らないものの、ネジれて変形してしまっています。

その点、接続部が回転することで、背負う人の体系や荷物の大きさに合わせて角度が変わるため、負荷を均一に保つことができ強度が増すというわけです。また、この機能はショルダーを肩にかけたままバッグ本体を前に持ってきてサイドポケットからアクセスする時のスムーズさにも大きく貢献しています。

はじめてこの仕組みを見たときは、可動式のため逆に壊れやすいのではないかと想像していたのですが、「Everyday Sling 10L」をしばらく使い、とても丈夫であることを実感しました。

チェスト・ストラップが使いやすく取り外しも簡単

バックパックのチェスト・ストラップやヒップベルトは、使う人とそうでない人で大きく二つに分かれると思います。僕はヒップベルトは一切要らない派で、チェスト・ストラップは稀に使うことがあるという程度。

Everyday Backpack のチェスト・ストラップは、造りはしっかりしているものの目立ち過ぎず、不要であれば簡単に取り外しもできるため、普段使いのバックパックとしては理想的と言えます。

Everyday Backpack 30L V2 の悪い点

Everyday Backpack 20L/30L V2 のレビューを見ていると、大抵同じような個所が悪い点として挙げられています。僕的には悪い点には及ばないという内容もあったので、僕の感想と一緒に紹介します。

内部ポケットがスペースの取り合い

バッグ自体が厚みのあるクッションになっていて、ほとんどのポケットが内部にあり、それらは伸縮性の高い生地で作られているため、ポケットに何かを収納すると外側ではなく内側が膨れ、結果的にメイン収納スペースを占有してしまう形となります。ハードケースのバッグと同じです。CSS で言えば margin ではなく padding です。

しかしこれは、スペース面ではデメリットになりますが、モノの有無に関わらずバッグの形状を維持することができ、さらに内部ポケットも含めて外壁の厚いクッションに守られるというメリットとも言えます。

僕は元々バッグにモノを詰め込むような使い方はしない性格なので全く気にならないですが、細かいものをたくさんポケットに収納したいタイプの人は、この点も考慮して 20L、30Lのサイズ選びをすると良いと思います。

サイドファスナーが引っかかる

多くのレビューで指摘されています。バッグにモノがたくさん詰まっている場合は問題ないもののスカスカの場合にちょうどカーブの部分で引っかかるそうです。

僕は購入直後、空の状態で何度か試したのですが、引っかかる印象はありませんでした。もしかしたら開ける際のファスナーを持つ角度によって異なるかもしれません。カーブを描くファスナーではよくあることで設計ミスというほどのことではない気もします。開ける際のちょっとしたコツで解決できることなので神経質な僕でもそれほど気にはなりません。

両サイドの内部ポケットにモノを入れ、バッグを横に置くとその部分がメイン収納部のカメラなどにぶつかりそうで心配

Everyday Backpack は、メイン収納スペースへのアクセスは両サイドから行うのが基本となるため、キャリーケースの上に乗せたり、バッグを地面に置いて出し入れする時など、底となる方にカメラの液晶が向いていた場合、液晶部分と内ポケットのモノが薄い布一枚で接触した状態で圧がかかることになります。

ただ、これに関してはカメラの向きを変えるなど入れ方を工夫したり、サイドポケットには柔らかいものだけ入れるなど、いくらでも回避策があるので、僕的にはそれほど大きな問題ではないと思っています。

メイン収納部にデッドスペースができる

折り紙のように折れるPeak Design お馴染みの仕切りは、一見万能のように見えるものの、特定の位置でしか折れないため、希望通りのスペースを作れるわけではなく、また、サイドアクセスという機能上、出し入れも考慮すると仕切り方にも限界が生じます。その結果、各仕切りに無駄なスペース(デッドスペース)が生まれると主張しているレビューがいくつかありました。

しかし、ある程度余裕をもって収納したり、細かいものを入れたいならポーチなどに入れるなど工夫することで問題は回避できます。この点は、一般的なカメラ用バックパックでも同じかもしれません。

僕は必要なモノだけをその都度収納して出かけるタイプで、そもそもバッグにたくさん詰め込むのは嫌いで、80%くらいをそのバッグの収納力と考えているため、仕切りを折って使うことすらしないので、気にもなっていません。

ショルダーストラップのマグネットが鎖骨に当たる

Everyday Backpack V2 の特徴として、ショルダーストラップがマグネットで固定される機能があり、多くのレビューで良い点として紹介されていますが、ショルダーストラップの生地内に埋め込まれているマグネットが背負った時に鎖骨の部分に当たると主張しているレビューがありました。

そんなレビューを見ていたため、僕は最初マグネットが無造作にショルダーパッドの布地に入れられているだけかと想像していたのですが、実際は、約2㎝程度の丸いマグネットがショルダーのパッドに埋め込まれていて、この部分が突起(凸)しているわけではありませんでした。指で押してみるとマグネットの形は分かります。しかし僕の場合はこの部分は鎖骨よりも少し下にくるため、仮に突起していたとしても違和感を感じることすらないと感じました。

体形によってはマグネットの部分が鎖骨の位置になる可能性はありますが、仮にそうなったとしても、マグネット部が突起していない以上、ある程度重いものを入れたとしても、気になるほどの違和感を感じることはないのではないかと思います。

20L か 30L の選択

20L と 30L の違い
20L30L
価格48,400 円52,800 円
容量通常17L - 最大20L通常22L - 最大30L
重量2.01 kg2.11 kg
Black、Charcoal、Midnight、AshBlack、Charcoal、Midnight
高さ46 ㎝48.5 cm
33 cm33 cm
奥行き21 cm27 cm

20L と 30L、僕もどちらにするか最後まで悩みました。 僕的に迷ったポイントは、背負った時の収納力見た目の 2つ。最終的になぜ 30L を選んだのか、その理由を紹介します。

収納力

僕は普段、「Canon R6 + RF50mm F1.2 L USM」だけ持って撮影に行くことが多く、大抵の場合は「Everyday Sling 10L」で十分なのですが、望遠レンズが必要なイベント撮影時など稀に大きめのバッグが必要な時があります。要するに荷物が多い時にバックパックを利用するため、ある程度の収納力は必要になるということになります。

店頭で実際に両サイズを見比べてみたところ、カメラ収納部において、20L の方は普段使っている「Everyday Sling 10L」との劇的な差を感じず、また 30L の方ですら大き過ぎる印象ではなかったため、自動的に30L が優位に立ちました。

また、僕はいまだに「EOS 5D Mark III」と「EF 70-200mm f/2.8 L」を使用することがあるため、この組み合わせが収納できることも条件の1つでした。

下記の写真では、5D、R6、70-200mm を 30L に収納した場合のスペース感です。20L でも、これくらいの機材は収納できると思いますが、5D がこの向きで入るのは、30L の方だけです。ミラーレスのみでも、2台持ち + 望遠レンズ以上の場合、30L の方が少し余裕をもって収納できるので、パンパンが嫌いな人は 30Lの方が無難だと思います。

見た目

僕は個人的にバックパックを背負った時に、ちょうど腰から肩くらいのサイズ感が好きで、普段使用しているカメラ用バックパックでもその基準で選んでいます。YouTubeなどでレビューを見ている時は20Lが一般的なバックパックのサイズに近く、30Lは結構大きめだと想像していたのですが、実際に店頭で見比べてみたところ、僕が普段使用しているバックパックに近いサイズは 30Lで 20Lだと少し小さ過ぎる印象だったため、30L の方が優位に立ちました。

20L と 30L では上の表を見て分かる通り、外寸幅はどちらも同じ(33㎝)で、高さは2.5㎝の差のみ、奥行きのみが唯一大きな差(6㎝)となっています。そのため後ろからの見た目は実は大して違いはなく、斜め、または横からの見た目が重要になります。下記が実際に 30L を背負った時の写真です。僕の身長は 170㎝、体重 60㎏ くらいなので日本人の平均くらいだと思います。真後ろからの写真だと一見少し大きいかな?と思うかもしれませんが、横からの写真を見ると、一般的な大きなバックパックと比べて大き過ぎないのが分かるかと思います。

そもそも大きめが好きな人と小さめが好きな人がいるので、最終的には個人の好み次第となると思いますが、重要なポイントは、Everyday Backpack の30L は上部を最大に広げた場合の最大時が30Lであり、通常時は 22L なので、他の一般的なカメラ用バックパックと比べて、大きい部類に入るバックパックではないということです。

下記に Everyday Backpack(V1/V2) 30L のYouTube レビューを紹介しておきます。サイズ選びの参考になると思います。

[おまけ]僕が Peak Design を避けていた理由

カメラ用バックパックやショルダーを検討すると大抵Peak Design の製品が候補に上がってきますが、僕は、Peak Design の商品をいくつかの理由で避けていました。しかし、ちょっとしたきっかけで「Everyday Sling 10L」を購入してしばらく使ってたら、その考えが大分変わったため今回バックパックも Peak Design にしたくなったというわけです。避けていた理由とそれらの考えが変わった理由は下記の通りです。

リサイクル素材を売りにしている点

「リサイクル素材」というのは、本来廃棄するものを再利用した素材など。環境にやさしい、または制作コストが下げられるという点は、購入する側の僕にとっては知ったことではありません。費用を出して購入する以上、それに見合った最大限良い素材を使用して欲しいというのが本音です。リサイクルとか環境にやさしいという宣伝文句は、僕にとっては他を犠牲にした言い訳にしか聞こえませんでした。しかし実際に「Everyday Sling 10L」をしばらく使ってみて、十分丈夫で防水性も高く、汚れもふき取りやすいなど、素材に関して不満になるようなことがなかったので、考えが改まりました。

みんなが持っているという先入観

Peak Design 製品は多くの海外YouTuberも紹介しているということもあり、「カメラ好きはみんな持っている」という先入観が強かったのですが、実際は、比較的高額な部類に入るということもあってか、少なくともバンクーバーの街中で Peak Design 製のバッグを持っている人を見かけることはそれほど多くはありませんでした。

デザイン

Peak Design のバッグ類全般に言えますが、少なくとも V1 のデザインは僕的にはあまり好みではありませんでした。近未来風なのっぺりしたデザインよりも、外部ポケットがあって凸凹のあるデザインの方が僕は好きなのだと思います。例えるなら、「しょうゆ顔」よりも堀の深い「ソース顔」の方が好きみたいな。V2 は「ソース顔」なのかというと、そうではなく、むしろ V1 以上に「しょうゆ顔」とも言えます。しかしなぜか V2の方はスッと受け入れられる顔だったのです。

正直、超好みのデザインではないことに変わりはないものの、機能性や品質においては文句無しのため、結果的にデザインすら好きになりつつあるという状況です。また例を挙げるなら「顔が少しタイプとは異なるものの、性格と身体が超タイプで、結果的にその人自体を好きになってしまう」ような感じです。

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hidepooh

日本では主にUNIXサーバーの構築、運用などに携わり、2006年に仕事を辞めてカナダに来てそのまま永住。 カナダでは、日本からカナダに留学や永住、ビジネスで渡航する人たちのサポートを行う傍ら、専門分野+趣味でもあるWeb制作、運用を継続しながら、最近では写真/動画撮影、動画制作、モーショングラフィックなど、新しい分野のスキルアップに励んでいます。 Peas Code は、僕が過去の経験の中で学んだことを、特定の分野に限定せず公開していくことを目的としています。中にはコードに見えてしまうような意味不明な僕独自の理論も含まれますが、知っていると平和になれると言う意味で、Peas(peace → peas) Code と名付けました。これが意味不明か・・・。 僕について、もうちょっと詳細を知りたいという変わった人は[About me]を見てください。

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