「海外で生活してみたいけどお金に余裕がなく行動に移せない」という人は実は多いのではないでしょうか。
今回は、生活費をかけずに海外に長期で住む方法を紹介します。
エロ系や違法系、また、抽選で当たった人のみなど限られた人だけが利用できるサービスではなく、成人であれば年齢に関係なく誰でも利用できる方法ですのでご安心ください。
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Help Exchange
「Work Exchange」「Cultural Exchange」などとも呼ばれますが、簡単に言うと物々交換です。この「物々」には、お金や食料など有形なモノの他、労力や知識など無形のモノも含まれます。
今回紹介するこの「Help Exchange」は、労力を提供する代わりに、部屋や食事を提供してもらうというものです。
通常、海外長期滞在における最大のコストは何と言っても継続的に発生する家賃と食費。このいわゆる基本生活費のほぼ全てをカットすることができれば、あとは移動費や交遊費など単発のコストのみとなり、全体的には大幅な節約につながります。
Help Exchange はそれを実現することができる画期的で斬新な仕組みなのです。
仕事(ヘルプ)の種類と労働時間
さて、それでは一体「Help Exchange」にはどんな内容の仕事(ヘルプ)がありどの程度の労働時間なのでしょうか。
Help Exchange をするためには、まず労力を欲しいと願っているホストを探さないとなりませんが、利用するホスト検索サイト(マッチング・サイト)によって検索できる仕事内容、そしてその仕事内容によって労働時間は変わってきます。
仕事内容
下記は、欧米で広く知られる代表的な検索サイトで募集されている仕事内容の一部です。
- ファーム(農場)
- ベビーシッター
- ホテル/ホステルのハウスキーピング
- ガーデニング
- 動物の世話
- 家事手伝い
- DIYプロジェクト(建設、修理、ペンキ塗りなど)
- 地域コミュニティのプロジェクト
- チャリティ活動
- アート・プロジェクト
- 指導/教育(言語、音楽、調理など)
- 船での航行/漁
- コンピューター関連
労働時間
労働時間は、ホストやその仕事内容によって異なりますが、1日平均4-6時間で週休2日というのが一般的と言われています。
Help Exchange は基本的にホストとヘルパーお互いの尊重と信頼で成り立っていて、またそれらはレビューという結果として残っていくので、報酬内容に見合わないような過酷な労働というには基本的にはないので安心して良いでしょう。
どんなビザを検討すれば良いのか
他国で Help Exchange をするにあたって一番重要とも言える「ビザ(査証)」。利用できるビザの種類は、目的地の国によっても異なりますが、一般的には「観光」「ワーキングホリデー」を利用する場合が多いのではないかと思います。
Help Exchange の一種「オペア(au pair)」と呼ばれる制度に関しては、アメリカやヨーロッパの一部の国において専用のビザが存在します。また、「学生ビザ」という選択肢もないわけではありませんが、学費を払う以上、メインの目的は通学&勉強となるので、Help Exchange をするための手段として検討するのは特別なケースを除き、避けた方が良いでしょう。
「ワーキングホリデー」は制限が緩く何でもできるビザである代わりに、利用可能な国、人は限られます。もし条件を満たしているのであれば一番に検討するビザになると思います。
「観光」に関しては年齢制限も特別な条件もなく、ビザの取得をせずパスポートのみで入国できる国も多いので一番簡単ですが、その分、一番気をつけないとならないビザと言えます。
観光で入国/滞在する場合の注意点
観光で有給の仕事をするのは法的には違法行為であることは誰もが知っていると思いますが、実は無給(ボランティア)であっても、基本的に仕事とみなされるものは全て「ワーク(就労)ビザ」が必要というのが一般的な考え方となります。
「非商業/非営利(Non-commercial)」の手伝いの場合は不法労働には当てはまらないと言われたりもしますが、それはあくまでも一般論。入国時に移民局のオフィサーがそれで納得するかどうかは全く別の話です。
もし仮に観光で入国する場合は、無給・有給に関わらず「仕事をする/ボランティアをする/Help Exchangeをする」など、仕事を連想させるような発言は絶対にしないようにしましょう。
カナダのビザの比較
僕が住むカナダの場合、観光ビザの申請をすることなく、日本のパスポートのみで最長6ヶ月の滞在が可能です。ワーキングホリデーと観光との比較は下記を参考にしてください。
- | 観光 | ワーキングホリデー |
---|---|---|
申請 | 不要* | オンライン |
年齢制限 | なし | 18歳以上30歳以下 |
利用可能回数 | 制限なし | 一生に一度 |
申請費用 | なし | $338 CAD |
期間 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
就労 | 不可 | 可 |
就学 | 可 | 可(各コース最長6ヶ月) |
*観光でカナダに入国する場合、「電子渡航認証システム(eTA)」のオンライン申請が必要となります。5年間有効で、その期間中は何度入国を繰り返しても再申請は不要。
結論としては、目的地となる国に申請可能な就労ビザがあるのであれば、それを最優先に検討し、それが難しい場合は、観光で来る。しかし観光の場合は入国時の発言に注意する、ということになります。
費用の目安
現地の生活費がほとんどかからないと言っても、さすがに無一文で参加できるわけではありません。
ここでは最低限必要な出費と、カナダで6ヶ月間滞在する場合の費用の目安を紹介します。
往復の航空券 (15万円)
観光の場合は往復の航空券を購入するのが旅行業界の定説となっています。
カナダに関しては日本人であれば、観光 + 片道航空券でも入国時に問題になることはまずありませんが、航空会社によっては出発のチェックイン時で面倒な場合があるのと、そもそも最長6ヵ月以内に帰国するのであれば帰国日を変更できる往復のオープン航空券を購入しておいた方が金額面においても良いかもしれません。
海外旅行保険(6万円)
クレジットカードの付帯保険を利用しても良いですが、付帯保険は通常、長くて3ヶ月程度の期間なので、それ以上の期間を予定している場合は一般的な海外旅行保険に入っておきましょう。死亡や病気の補償は可能な限り安くても良いですが、「携行品 or 生活動産」の補償は必ず付けておくことをお勧めします。「携行品 or 生活動産」があれば、日本から持っていったもの、または現地で購入したものが壊れた、盗まれた場合に補償されるので、使い方によっては支払う保険金以上の価値に化けることがあります。
移動費(10万円)
空港から最初のステイ先までの移動はもちろんですが、最初に予約した場所にずっといることは稀で、数週間、または数ヶ月ごとにステイ先を移動するのが一般的なので、それらも想定した移動費を準備しておく必要があります。
空港から比較的近い町内で移動するなら移動費を最小限に抑えられます。10万円は結構多めに見積もった場合だと思ってください。
食費(5万円)
多くの場合、普通の生活に必要な分の食事は提供されることが多いので、別途食費を用意しなくても良いですが、たとえばホステルでのハウスキーピングなど、元々食事を提供していないような施設での滞在では、パン類など簡易食のみ、もしくは食事が一切提供されない場合もあるので、それらの場所に長く滞在する可能性があるなら、その分も想定した食費を用意しておく必要があります。
雑費(5万円)
Help Exchange 用プラットフォーム(検索サイト)の多くは、ホストとのメッセージのやりとりは有料会員(年間で数千円程度)のみと定めているところが多いので、それらの費用や、タバコやお酒、交遊費などの雑費を少し想定しておくと良いと思います。特別な贅沢をしないということであれば 5万円は多すぎる額かもしれません。
Help Exchange で得られること
Help Exchange は、収入を得るのが目的ではありませんので、お金以外の価値にどれだけ目を向けられるかがポイント。考え方次第では、お金では買えない、お金以上の価値を得ることができると言えます。その代表となるのが下記の2つです。
経験
どんなところでどんな内容のヘルプをするのか、その環境によっても得られる経験は変わってきますが、異国の土地で、言語も文化も異なる人たちと一緒に生活することで、少なくとも普通の人が経験できない、人生観の変わるような貴重な経験ができることは間違いありません。
また、経験内容によっては、職歴として履歴書に書くことで将来就職に有利になることもあるでしょう。
語学力
日本以外の国であれば、100%その国の言語での生活を余儀なくされますので、語学力を向上させるには最高の環境と言えます。
語学留学ですら、現地の人と1日の大半を過ごすような環境を作るのは決して簡単ではないので、そういう意味では、これはまさにお金以上の価値とも言えるのではないでしょうか。
参加する上で必要な語学力
日本以外の国であれば、当然その国の言語での基礎的なコミュニケーション能力は必須となりますが、それに加え、多くの Help Exchange 検索サイトは、ホストが直接投稿するなどして募集を募っていて、そのほとんどは英語となりますので、目的の国に関わらず、英語での基礎的な読み書きは必須と言えます。
ホストの検索とホストとのメッセージでのやりとりまでは、中学校で習った英文法での読み書きが最低基準だと思っておけば良いですが、到着後、実際の生活が始まれば、仕事の指示をはじめ、普段の生活におけるホストや他の滞在者との会話が必須となってきますので、その国の言語での基礎的なコミュニケーション能力は必ず身に着けておきましょう。
基礎的な語学力はあくまでも参加する上での最低条件。語学力は高ければ高いほどお互いの理解も深まり、結果、その環境を楽しめることにもつながりますので、出発までに可能な限り語学力を上げておきましょう。
ホスト検索サイト
労力を求めるホストとそれを引き受ける人とのマッチング・サイトは実は結構たくさん存在します。
今回はその中でも、僕が住んでいるカナダ含む欧米全体で広く知られているサイトをいくつか紹介します。
Help Exchange 総合
特定のカテゴリに特化しない Help Exchange の総合検索/マッチング・サイト。ほとんどの仕事内容を網羅しているので、特にやりたい仕事が特定されていない人にオススメです。
Workaway
登録数も多く、検索機能も充実しているので、僕的にはこの中では一番オススメ。ホスト検索、閲覧は無料で、ホストへの連絡は有料会員のみ。
年会費 | $44 USD/1年 |
ホスト登録数 | 50,000 以上 |
主要国 | 170ヶ国 |
HelpX
検索の機能が少し使いにくいのが欠点。会費は 上の「Walkaway」より大分安いのが特徴。検索や閲覧は無料でできるものの、ホストへの連絡は有料会員のみ。無料会員でもプロフィールの登録、ホストからの連絡を受けることは可能。
年会費 | £20 EUR/2年 |
ホスト登録数 | 20,000 以上 |
主要国 | オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、ヨーロッパ全域、その他 |
Worldpackers
検索や一部の閲覧は無料で、ホストへの連絡など全てのサービスの利用は有料会員のみ。有料メンバーになり一定の条件をクリアすることで、収入を得ることができる独自の収益プログラムがあるのが特徴。
年会費 | $49 USD/1年半 |
ホスト登録数 | 9,000 以上 |
主要国 | 中南米、ヨーロッパ全域、その他 |
HelpStay
全登録数はそれほど多くないものの、アフリカなど一部の国に関しては他の大手サイトと同等の登録数を誇る。サイトは見やすく、検索機能も充実。会費が比較的リーズナブル。
年会費 | £29.99 EUR/1年 |
ホスト登録数 | 1,000 以上 |
主要国 | 東/西アフリカ、ヨーロッパ全域、北米、その他 |
ファームステイ専用
上で紹介した総合検索サイトでもファームステイの検索は可能ですが、目的がファームステイのみであればファームステイ専用サイトを利用した方が確実と言えます。
WWOOF Worldwide
ファームステイ専用の定番サイト。
WWOOF Australia、WWOOF New Zealand、WWOOF Japan、WWOOF USA など、各国専用のサイトがあり、全てを統括している。会費はそれぞれ国ごとに異なる。
主要国の WWOOFは下記参照。
- WWOOF Canada
https://wwoof.ca - WWOOF USA
https://wwoofusa.org - WWOOF Australia
https://wwoof.com.au - WWOOF New Zealand
https://wwoof.nz - WWOOF UK
https://wwoof.org.uk - WWOOF Japan
https://www.wwoofjapan.com
その他 WWOOF 全ヶ国一覧
https://wwoof.net/#destination
子供の保育や家事専門(オペア)
オペア/オーペア(au pair)とは、子供の保育や家事などの労力を提供する代わりに部屋や食事、または報酬までもらって生活する制度のことです。
主にアメリカやヨーロッパで盛んに行われており、専用のプログラム/制度が確立されていたり、国によっては専用のビザも存在するほどです。専用のビザ取得ができない国でオペアを体験したい場合は、ワーキングホリデーを利用するか観光として入国するのが一般的です。利用できるビザの種類は国によって異なります。
専用のビザを取得して参加する場合などの公式的なケースを除いて、保育に関する学歴や職務経歴は必須ではなく、判断は各家族によって異なります。
専用のプログラム/制度が確立している国では、手数料を徴収して仲介している業者もありますが、それらの制度を利用し専用のビザを取得しないのであれば、業者に手数料を支払う価値は全くありません。
ということで、今回は自分でホストを検索して直接メッセージを送信できるサイトをいくつか紹介します。
Find Au Pair
1989年開設の老舗サイト。サイトはとてもシンプルで見やすく検索機能は十分。各国のビザに関する情報ページあり。検索や基本情報の閲覧は可能で、メッセージの送信など全ての機能の利用は有料会員のみ。
年会費 | £39 EUR/3ヶ月 |
ホスト登録数 | 約 20,000 |
主要国 | 北米、ヨーロッパ全域、その他 |
AuPairWorld
1999年開設。主にヨーロッパ全域、オーストラリアの登録ホストが多い。検索機能や閲覧は無料で、送信されたメッセージを開くには、ファミリー側、またはヘルパー側のどちらかが有料会員である必要あり。通常はファミリー側が有料会員となるため、ヘルパー側は無料で全ての機能が利用できるのが特徴。
年会費 | £39.90 EUR/1ヶ月 |
ホスト登録数 | 13,000 以上 |
主要国 | ヨーロッパ全域、オーストラリア、その他 |
GreatAuPair
2001年開設。子供の保育以外にも動物の世話、お年寄りの世話、チューターなどの仕事の登録もあり。アメリカと中国に関しては専用ページまで開設されていて情報が充実。
検索や閲覧は無料で、メッセージの送信の他、独自機能の利用は有料会員のみ。
年会費 | $45 USD/1ヶ月 |
ホスト登録数 | 20,000 以上 |
主要国 | ヨーロッパ全域、オーストラリア、北米、中国、その他 |
決断は自分で!未経験者には相談しない
僕は過去にカナダに来る多くの日本人のワーキングホリデーや留学生に Help Exchangeを紹介し、その体験談を聞いてきましたが、9割以上の経験者がポジティブな感想でした。
そして中にはその魅力に取り憑かれ、1年や2年、もしくはそれ以上など長期でやっている人もいます。また、ホストやその知人などを通し普通の仕事に繋がった人や、同じ参加者同士で結婚した人など、人生が大きく変わった人もいます。
もちろん、中には嫌な思い出になってしまうような経験をするかもしれませんが、それも含めて、経験値が上がることは人生において必ずプラスになります。
Help Exchange のような制度は日本ではあまり一般的ではないため、参加するかどうかの決断に関して、経験者に相談するのは簡単なことではないでしょう。
基本的に全ての物事において共通して言えますが、未経験者からのネガティブな意見ほど無駄なものはありません。というより未経験者ほどネガティブなアドバイスをする傾向にあるので、経験者が周りにいないのであればむしろ誰にも相談せず、自分の感覚だけを信じて決断すると良いでしょう。
もし目的地がカナダであれば、僕がある程度の質問には答えられると思いますので、コメントやメールで気軽に聞いてください。