最近よく耳にするようになって、ずっと気になっていた「骨伝導ヘッドホン」とやらをついに購入してみました。外出する時、家やオフィスにいる時など結構着けっぱなしの状態で約1ヵ月ほど使っていますが、とにかくメチャクチャ便利で、今じゃなくてはならない存在となってしまっています。
特に、ポッドキャストやYouTubeなどのライブ配信、Zoom、Skype などオンラインミーティングをする人にお勧めです!
今回は僕が購入した「AfterShokz(アフターショックス)」というブランドの2019年に発売された比較的新しいモデル「Aeropex」を紹介します。
AfterShokz は2011年創業で、主にBluetoothを利用したワイヤレス骨伝導ヘッドホンに特化し開発、製造、販売を行っているアメリカの企業。どのモデルも耐久性、防塵・防水性の高い高品質な製品となっていて、多くのスポーツ選手にも愛用されている、骨伝導ヘッドホンのリーダー的企業と言われています。
コンテンツ
AfterShokz Aeropex の特徴
Aeropex は、現在市場に出ている骨伝導ヘッドホン/イヤホンの中ではトップクラスのスペックを誇ります。金額は他と比べると高い方ですが、確実に満足できる骨伝導ヘッドホンだと僕は思います。
- 最先端の骨伝導技術を搭載
- 完全ワイヤレス
- 振動が少ない
- 音漏れが少ない
- 小型&軽量
- 高い防塵防水性能
- 8時間の長持ちバッテリー
スペック
販売価格 | 19,998円 / $209 CAD |
通信最大距離 | 10m |
防水規格 | IP67 |
バッテリー容量 | 145 mAh |
充電時間 | 2 時間 |
バッテリー駆動時間 | 最大8時間 |
待機時間 | 最大10日 |
マイク特性 | デュアルマイク ノイズリダクション(-38dB ± 3dB) |
重量 | 26 g |
Bluetooth バージョン | Bluetooth® v5.0 |
カラー | Cosmic Black(黒)/Solar Red(赤)/Lunar Grey(グレー)/Blue Eclipse(青) |
サイズ | 通常サイズ / ミニサイズ(黒のみ) |
Aeropex Play(Mini)
2020年末、首周りのフレームサイズを少し短くした「Aeropex Play(Mini)」モデルが追加リリースされました。機能・性能は「Aeropex」と全く同じ。子供や女性など頭の小さい人により快適にフィットします。
サイズの切り分けは下記の図を参照ください。僕の場合は 23㎝~24cm だったので、一応念のため通常サイズを購入しました。確実に 23㎝ 以下なら Miniの方が首周りにフィットして快適かもしれません。
サイズチャート(PDF)
https://cdn.shopify.com/s/files/1/0857/5574/files/Let_s_find_your_perfect_fit.pdf
AfterShokz Aeropex 付属品
十分すぎる立派な箱の中に、必要なものが全て入っています。専用USB充電ケーブルが2つ付属するところが何気に嬉しいです。
- ヘッドホン本体
- 専用USB充電ケーブル x 2
本体とマグネットで着脱する専用端子 とUSB Type A - 耳栓
集中して音楽を聞きたい人向けの耳栓(耳栓をしても聞こえるというテスト用だと思います・・) - ラバーケース
結構しっかりした厚手のシリコンケース(マグネットによる開閉固定式) - マニュアル類
AfterShokz 商品比較
AfterShokz が今現在販売している主なモデルたち。似たようなモデルがあってどれを選んだらよいのか分からないという人向けに、各モデルの比較表です。
- OpenComm
ノイズキャンセリング・ブームマイク(取り外し不可)付き、、NFCペアリング対応、急速充電対応の最新のヘッドセット型モデル。話すことを目的に使用する人に最適。 - OpenMove
必要な機能と性能を備えたまま価格を抑えたリーズナブルなモデル。 - Aeropex
骨伝導ヘッドホンとしては最高の機能・性能を備えた最も人気のモデル。これを買っておけば間違いないといえるモデル。 - Air
Aeropex の前モデル。価格面で問題なければ Aeropex、価格を抑えたいなら OpenComm を選択した方が良いかも。 - Titanium
既に生産中止となったこの中では最も古いモデル。
切り分けとしては、話すことを目的とし少しでもマイクの音質にこだわるなら「OpenComm」、通常のヘッドホンとしての使用で価格を気にしないなら「Aeropex」、価格を抑えたいなら「OpenMove」という3つの選択肢で検討すれば良いのではないかと思います。
AfterShokz Xtrainerz
上記の他、「Xtrainerz (19,668円)」というモデルが販売されていますが、これは水中の中でも音楽を聞くことができる、泳ぐ人向けにデザインされたIP68 の完全防塵・防水モデルです。
他のモデルと異なり、Bluetooth ではなく内蔵メモリ(4GB)にオーディオファイル(MP3)を保存して再生します。マイクの機能もありません。
防塵・防水規格(IPXX)について
防塵・防水規格について簡単におさらいしておきます。IP に続く2ケタの数字が防塵・防水規格を表しています。検証していない場合は 「X(エックス)」で表現します。
たとえば 「IPX4」は防塵性能は未検証、防水性能はあらゆる方向からの水の飛沫で影響なし、「IP5X」は、動作・安全に支障をきたす粉塵が侵入しないが、防水性能は未検証という意味です。「IP68」は防塵・防水共に最強ということになります。
いわゆる「生活防水」と呼ばれるものは防水規格の 4以上、「完全防水」は 8となります。
防塵規格 | 保護範囲 |
---|---|
X | 未検証 |
0 | 保護なし |
1 | 直径50mm以上の物体が侵入しない |
2 | 直径12mm以上の物体が侵入しない |
3 | 直径2.5mm以上の物体が侵入しない |
4 | 直径1.0mm以上の物体が侵入しない |
5 | 動作・安全に支障をきたす粉塵が侵入しない |
6 | 粉塵が確実に侵入しない |
防水規格 | 保護範囲 |
---|---|
X | 未検証 |
0 | 保護なし |
1 | 垂直に落ちてくる水滴で影響なし |
2 | 垂直から左右15°以内からの降雨で影響なし |
3 | 垂直から左右60°以内からの降雨で影響なし |
4 | 全方向からの水の飛沫で影響なし |
5 | 全方向からの水の直接 噴流で影響なし |
6 | 全方向からの強い 直接噴流で影響なし |
7 | 水面下15㎝〜1m、30分間で影響なし |
8 | 水中で使用可能 |
骨伝導ヘッドホン/イヤホンとは
そもそも骨伝導とは一体どういう仕組みなのか。それを理解しておきましょう。
空気伝導(Air Conduction)
いわゆる耳で聴く状態というのは空気の振動であり、それが耳の外側(耳介)で集められ、外耳道(耳の穴)を通り鼓膜が振動、増幅しカタツムリ型の蝸牛により、その振動が電気信号に変えられ脳に伝わります。
骨伝導(Bone Conduction)
骨伝導の場合は、外耳道を通らず、骨を通じて蝸牛に伝わります。耳を完全にふさいで喋っても自分自身の声が聞こえるのは、まさにこの骨伝導の原理というわけです。
骨伝導ヘッドホン/イヤホンとは、従来のヘッドホンやイヤホンのように耳の穴から聞くのではなく、骨伝導を利用して音を聞くヘッドホンということになります。形状はメーカーによって様々ですが、多くの商品は下写真左のように耳の突起の部分「耳珠」の手前に密着させるタイプのものがほとんどで、最近では写真右のようにイヤリングのように耳に挟むタイプのものもあります。
骨伝導とは言っても音が全く鳴らないわけではありません。骨伝導だけでは不十分な音の表現を空気伝導で補っているのではないかと予想します。
骨伝導ヘッドホンのメリット
骨伝導ヘッドホンのメリットは、何といっても耳をふさがないということ。こんなシンプルなことが、実は様々なメリットをもたらすのです。その例をいくつか紹介します。
周囲の音を聞くことができる
周囲の音を聞くことができるということは、運転中はもちろん、サイクリング、ランニングなど運動中でも安全を損なうことなく使用できます。また、人と話す度に外す必要もなく、また自分の声が異様に大きくなり周りに不快な思いをさせなくて済みます。
最近では、通常のヘッドホン/イヤホンに「外音取り込み機能」を搭載しているものもありますが、あれは外部の音を集音し、スピーカーから流すという処理を行っているので、似ているようで厳密には少し異なります。
耳が疲れない
耳に入れるイヤホンや耳を覆うヘッドフォンは、長時間装着していると耳が疲れてきたり、圧迫感により耳が痛くなったりしますが、骨伝導の場合、耳が疲れるということは全くなく、圧迫感もほとんどありません。
防水・防塵・衛生性が高まる
通常のヘッドフォン/イヤホンのように音を出力するスピーカー部分が構造上露出しないで済むため、防塵・防水性が高まることになります。形状的に汚れが付きづらいタイプが多く耳にも入れないため、衛生面においても安全と言えます。
骨伝導ヘッドホンのデメリット
骨伝導ヘッドホンは、一般的に似たようなデメリットが紹介されますが、骨伝導ヘッドホンはここ数年で急速に進化しているので、一概に当てはまらないものが多いのが現実です。今回僕が購入した「AfterShokz Aeropex」は、少なくとも一般消費者向けの骨伝導ヘッドホンの世界ではトップクラスのものだと思いますので、これと一般的に挙げられるデメリットを比較した形で紹介します。
音漏れしやすい
振動で聞く骨伝導とはいえ音は鳴るため、音量によっては音漏れします。しかし、一昔前に比べると音漏れ防止技術はかなり向上しているので商品によって大分差があると思った方が良いと思います。
AfterShokz Aeropex は、前モデル「Air」に比べて音漏れを50%減少しているそうで、普通の音量で聞いてる分には真横にいる人にも聞こえない程度でした。満員電車の中でも音量を抑えれば十分音楽を楽しめると思います。
音質がよくない
骨伝導ヘッドホンと聞くと、必ず音質が悪い点がデメリットとして挙げられますが、おそらくこれは、一昔前の骨伝導ヘッドホンの印象が引き継がれているのではないかと思います。骨伝導ヘッドホンの音質は、少し前の製品と比べても大分向上しているので、購入する商品によって大きく異なると思った方が良いかもしれません。
購入前たくさんのレビューを見て、その多くの人が音質に関してネガティブな感想を伝えていたため、僕も骨伝導ヘッドホンは音質がイマイチなんだという偏見を持っていましたが、実際にAfterShokz Aeropexを購入して音楽を聞いてからは、骨伝導ヘッドホンの音質が悪いという偏見は吹っ飛んでしまいました。
しかし、骨伝導ヘッドホンは、完全に耳をふさぐヘッドホン/イヤホンと比べれば、耳がふさがっていない分、聞こえる音の範囲は変わって当然です。重低音をガンガン鳴らしてロック音楽を聞きたいなど、音楽だけを集中して聞きたいという目的であれば、通常のヘッドホン/イヤホンを使った方が良いのは間違いないでしょう。
頭が痛くなる
骨伝導ヘッドホンは振動で音を伝えるため、長時間音楽を聞いていると頭が痛くなるという話もよく聞いていました。これは商品によって、また音楽を聞くボリュームによっても大きく異なると思いますが、少なくとも僕がAfterShokz Aeropexで普通に音楽を聞く上で頭が痛くなることはありませんでした。そもそも、少しうるさいくらいにボリュームを上げてもこめかみ部分に振動すら感じることがないので、AfterShokz Aeropex は他の製品と比べても大分振動が抑えられているのかもしれません。
数ヶ月使用した感想
購入してから約2ヶ月、家やオフィスでPCに向かっている時、愛犬の散歩に行く時、EUC(電動一輪車)で街を探索する時など、音楽を聞く聞かないに関わらず、スマホの着信や通知を逃さない目的も兼ねて一日の大半は装着して生活していますが、特に痛みや疲れを感じることはありません。
骨伝導ヘッドホンのメリットを超実感しています。中でも人と話す時など周囲の音を聞く際にわざわざ外す必要がなく、通話したり音楽を聞くことができるというのが本当に便利で、まさに耳を4つ持った感覚です。
付け心地、機能、バッテリー、音質、品質など全て満足で、今じゃスマホとセットで、なくてはならない存在となってしまったほど、すっかり骨伝導ヘッドホンのファンになってしまいました。
簡易マニュアル
マルチファンクションボタン
機能 | 操作 |
---|---|
音楽再生/一時停止 | 1回押し |
次の曲にスキップ | 音楽再生時に2回押し |
前の曲にスキップ | 音楽再生時に3回押し |
電話に出る | 着信中に1回押し |
電話を切る | 通話中に1回押し |
現在の通話を切って次の電話に出る | 通話中に2秒間長押し |
通話拒否 | 着信中に2秒間長押し |
音声ダイヤル | 2秒間長押し |
最後に発信した番号にリダイヤル | 再生ストップ時に2回押し |
音量(+ー)/電源ボタン
機能 | 操作 |
---|---|
ペアリング | [音量(+)]を5秒間長押し |
電源 ON | [音量(+)]を2秒間長押し |
電源 OFF | [音量(+)]を3秒間長押し |
ミュート | 通話中に[音量(+ー)]両方2秒間長押し |
イコライザー切替え | 再生中に[音量(+ー)]両方3秒間長押し |
バッテリー残量チェック | 再生ストップ時に[音量(+/ー)]どちらか1回押し |
音量調整 | 再生中に[音量(+/ー)]を1回押し |
ペアリング
[音量(+)]を5秒間長押し、赤色と青色のランプが交互に点滅している状態で、接続デバイスから「Aeropex by AfterShokz」を選択します。
イコライザー
イコライザーの種類は2種類で1つがデフォルトの「オープンイヤー」、2つ目が「イヤプラグ装着」。再生中に[音量(+ー)]両方同時に3秒間長押しすることで「オープンイヤー」→「イヤプラグ装着」に変わります。元に戻す場合は初期化します。
初期化
設定した情報を全て購入時にリセットします。
- 電源を OFF にします。
- [音量(+)]を5秒間長押し、ペアリングモードにします。
- [音量(+)][音量(ー)][マルチファンクションボタン]3つを同時にビープ音が鳴るか振動するまで長押し(3~5秒間)します。
- 電源を OFF にして完了。
2台のデバイスを同時接続(マルチポイント)
最大2台のデバイスを同時にペアリングすることができます。これを設定しておくことにより、PCで音楽を聞いている時にスマホに着信があった場合でも自動で音楽がストップしシームレスに着信、通話に切り替わります。ただし、両方のデバイスから同時に音楽を聞くなどはできません。PCの音楽を聞いていて、スマホの音楽に切り替えたい場合、PCの再生をストップし、スマホ側で再生すれば自動(数秒)で切り替わります。
- 電源を OFF にします。
- [音量(+)]を5秒間長押し、ペアリングモードにします。
- [音量(+)]と[マルチファンクションボタン]を同時に3秒間長押しします。
- 最初のデバイスで「Aeropex by AfterShokz」を選択しぺリングします。
- 電源を OFF にします。
- [音量(+)]を5秒間長押し、ペアリングモードにします。
- 2台目のデバイスで「Aeropex by AfterShokz」を選択しぺリングします。
- 電源を OFF にします。
「マルチポイント」 を解除するには、[音量(ー)]と[マルチファンクションボタン]を同時に3秒間長押しします。
AfterShokz Aeropex ユーザーマニュアル
https://us.aftershokz.com/pages/aeropexug
AfterShokz Aeropex のよくある質問
メガネをしたままでも使用できる?
メガネやサングラスをしたままでも全く邪魔になることなく取り外しができます。
どんな服装でも支障はない?
ヘッドホンの後ろのフレーム部分が後頭部の下部、首の上部に来るため、ハイネックのジャケットやマフラーなどの場合はその部分に触れて少し気になるかもしれません。
寝ながら使用できる?
仰向けの場合、後ろのフレームが下面に当たり邪魔になるので、少し上部にズラし頭にピッタリ付ければ気にならずに使用できます。
充電しながら使用できる?
充電を開始した時点でペアリングが解除されるため、充電しながら利用することはできません。