2021年に骨伝導&オープンイヤー・ヘッドホン「AfterShokz Aeropex」のレビューを書き、それ以降、オフィスで仕事する時や電話する時、また車を運転する時など頻繁に使用し続けましたが、使えば使うほどその便利さを実感し、僕的には買ってよかったモノ「ベスト買No 1 in 2021年」にランクインした超おススメの商品となりました。
2021年末にブランド名が「AfterShokz」から「Shokz」に変更され、それと同時に僕が購入したモデル「Aeropex」は、急速充電機能が加えられ「OpenRun」という名前に変更。
それから約2年経ち新製品がいくつか登場し、最終的に同ブランド初、骨伝導ではないワイヤレスイヤホン「OpenFit」に辿り着きました。そこで今回はこの「OpenFit」の商品紹介に加え、他の骨伝導イヤホン製品にしなかったのかについて紹介します。
コンテンツ
Shokz OpenFit 概要
Shokz と言えば骨伝導イヤホンのパイオニア的メーカーですが、最新モデル「OpenFit」は、従来の骨伝導イヤホンと同様、耳を塞がない“オープンイヤー”というコンセプトを継承した“空気伝導”のイヤホンで、左右のイヤホンが単体で動作するShokz初の完全ワイヤレスイヤホンです。要するに、小さなスピーカーを左右の耳に装着しているようなイメージです。
OpenFit は他の競合商品と比べると決して多機能というわけではないものの、必要最低限の機能は備えつつ、とにかく小型で軽量というのが一番の特徴です。
マルチポイントに後出しで対応
販売開始時の2023年6月当初は、マルチポイントに対応しておらず、多くのレビューでも欠点として紹介されていましたが、発売から約3ヵ月後の8月下旬、アプリのアップデート(ver. 3.5.0)により、最大2デバイスまでのマルチポイントに対応しました。
スペック
価格 | 24,880円 |
バッテリー | 7時間(イヤホン) 28時間(ケース併用) |
充電時間 | 1 時間(イヤホン) 2時間(ケース) ※ 5分間の充電で1時間の使用が可能 |
待機時間 | 最大10日 |
充電ポート | USB Type-C |
Bluetooth | V5.2 |
コーデック | SBC、AAC対応 |
防水 | IP54(イヤホン) |
マルチポイント | 最大2デバイスまで可 (アプリバージョン3.5.0以降で対応) |
カラー | ブラック or ベージュ |
スマホアプリ | iPhone & Android |
機能/操作
ペアリング
ケースに入れた状態でイヤホンのタッチ操作部を2本の指で長押し。インジケータランプがオレンジと緑に点滅したらペアリングモード。ケースに入れた状態でないとペアリングはできません。
マルチポイント・ペアリング
マルチポイントの 有効/無効はスマホのアプリでのみ行うことができ、一度有効にすればあとは通常の方法で追加デバイスをペアリングすることができます。
タッチコントロール
サポートされている操作は、左右イヤホンのタッチ部分の「2回タップ」と「長押し」の2つのみで、アプリで具体的なコマンドを設定することができます。僕の場合は、左2回タップを「再生&ストップ」、右2回タップを「次の曲」、左長押しを「音量ダウン」、右長押しを「音量アップ」に設定しています。
「1回タップ」がないこと、音量調整で3秒も長押ししないとならないことなどを欠点として挙げているレビューがいくつかありましたが、実際に使用してみたところ、音量調整に関しては、長押しし続ければそれ以降は早いスピードで音量は上がっていくためそれほど不便は感じず、また、1回タップは誤接触の可能性が高くなるため、むしろ不要だと感じたので、僕的にはこのシンプルな機能で十分だと思っています。
イコライザー
「スタンダード」「ボーカル」「低音強調」「高音強調」の4つのプリセットに加え、好みの設定を作成することもできます。
OpenRun Pro ではなく OpenFit を選択せざるを得なかった理由
Aeropex で唯一気になっていた点として、後ろのアーム部分が自分には少し長過ぎ、運転する時にはヘッドレストに、フード付きの洋服や厚手のジャケットを着た時にネック部分に触ってしまうなどの問題がありました。そこで約2年経った今年2023年、「Aeropex」の後継機でもあり Shokz のハイエンドモデルでもある「OpenRun Pro」の後部のアーム部分が 21mほど短い「OpenRun Pro Mini」に魅力を感じ実際に購入しました。ところが・・・
OpenRun Pro / OpenRun の致命的な不具合
ところが実際に使用してみたところ、無音状態が数分(1~2分程度)続いた状態、いわゆるスリープからの復帰時、最初の音声が欠けるという欠点を発見したため、サポートに相談し、別の OpenRun Pro Mini を送ってもらったり、旧製品 OpenRun Mini を購入して試しましたが、結果は同じ。結局 OpenRun Pro Mini x 2、OpenRun Mini x 2 の計4製品を試して全て同じだったため、個体独自の不具合ではないと断定。日本のアマゾンに同じようなレビューを書いている人がいることから、これが仕様だということが分かりました。ちなみに、最初に購入したAfterShokz Aeropex ではこのような問題は全くなかったため、Shokz にブランド名が変わり、それに伴うファームウェアの更新が原因だと思います。この問題、普通に音楽を聴いたり、電話するなどにおいてはあまり気になりませんが、カーナビなどの場合は無音状態が多いため、この問題が頻繁に起こり、結果道案内の音声の最初の部分が聞き取れないなど、不快なだけでなく致命的な問題となります。スマホアプリの通知音に関しては、常に音声を流しる時でない限り、一瞬だけ雑音が聞こえる感じで全く気づけません。
僕は最近 Uber/Lyftで運転することが多く、その時に使用することも視野に入れたアップグレードだったため、これでは全く使い物になりません。そんな時に OpenFit が販売開始されたのです。
OpenFit の他にも、同価格帯で多機能な「Cleer Audio ARC II」や 「Oladance OWS Pro」も比較検討していたのですが、装着した時の存在感が大き過ぎるのと、プラスチック部位が多く何となく安っぽい感じに見えてしまったため却下となりました。
OpenFit でも同じ音飛び/音欠け問題が起こることを懸念していましたが、幸いOpenFitではこの現象は起こらず、通知音の問題もありませんでした。
OpenFit の良い点とそうでない点
購入した当初(マルチポイント対応前)、マルチポイントに対応していないことだけが唯一の欠点だと思っていたので、それが改善されたことで、願いが叶ったという喜びも加わり満足度が一気に上がったのは間違いありませんが、客観的に比較したとしても、少なくとも僕の用途であれば、今現時点販売されているイヤホンの中ではベストだと思います。
ちなみに僕の用途はオフィスでパソコンをしながら音楽を流したり、YouTubeの動画を見たり、電話やLineでの通話、運転時のカーナビ、また本気のものでなければ動画の編集の際にも使用しています。そんな僕が、良い点とそうでない点を挙げてみましたので参考にしてください。
良い点👍
小型&軽量
耳を塞がないイヤホンは「ながら聴き」を目的に使用する人も多いわけで、長時間の装着が前提となります。少しの重量や圧迫感でも長時間の装着では大きな負担になるため、小型&軽量というのは非常に重要な要素となります。
素材&装着感
イヤホンの表面の大部分は軟質シリコンで覆われていて、触り心地、付け心地もソフトで、見た目的にも高級感があり、所有感を満たしてくれます。また、ドルフィンアーク型となっていて、耳の形にフィットするため、首を上下左右に振るなど激しい動きをしても落ちることはありません。
接続
ケースからイヤホンを取り出した時点で電源が入り、すぐに接続してくれるため、耳に装着した時点ですぐに使用できます。少なくとも OpenRun や OpenRun Pro と比較しても接続が早く安定していると言えます。
音質
僕は普段から音楽を聴く人間ではないということもあり、音質の良し悪しは正直分かりませんが、YouTubeなどのレビューで伝えられているとおり、低音も高音もしっかり表現できていてオープンイヤー・イヤホンの中では上位に上がる音質なのではないかと思います。
音漏れ
小さなスピーカーを2つ左右の耳に乗せているようなものなので、耳を完全に塞ぐ通常のイヤホンと比べれば当然音漏れはしますが、比較的大音量で音楽を聴いていても、思ったほど外には聞こえていないという感じです。超静かな場所で聴くなら、30%~40%を上限にすれば気にならない程度だと思います。
マルチポイント対応
後出しで追加された機能ではあるものの、PCとiPhone の接続の切替に関して、僕の使用環境においては全く気になることはないほどスムーズに切り替わってくれます。
一部の人には、最大2台の同時接続というのがマイナスポイントになってしまう可能性がありますが、アプリ上でぺリング済みデバイスの接続/切断ができるので、大抵の状況には対応できるのではないかと思います。
改善して欲しい点 👎
ケースのクオリティ
これは完全に僕の勝手な基準で、他のイヤホンケースと比較したものではありませんが、ケース全体のプラスチック素材の質、蓋のヒンジ部分含め全体的に強度が低そうで安っぽい感じがします。強度よりも軽さを重視した結果かもしれませんが、僕的には一番の欠点ポイントです。
タッチコントロール
タッチコントロールを認識する部分は、各イヤホンの突起部分の小さなエリアのみのため、装着した状態で一発でこの部分をタッチするには慣れが必要です。僕の場合、約1ヵ月使用していますが、いまだにタッチ位置がズレてしまい認識しない場合があります。ただ、最初に比べれば大分慣れてきたので、さらに使い続けることである程度解決すると思っています。また、サポートされるコマンドは各イヤホン “ダブルタップ” と “長押し” のため、コマンドは計4つのみ。例えば僕の場合は[1]スタート&ストップ[2]次の曲[3]音量アップ[4]音量ダウン を登録していますが、この場合は曲の最初、または前の曲に戻るという操作はイヤホンではできません。要するに一般的によく利用する操作1つを妥協する必要があるわけです。僕は今のところこの4つのコマンドでそれほど不便には感じていませんが、用途によっては欠点になってしまう可能性はあると思います。
結論としては、欠点だと感じることは少ない上、致命的なものではなく、それらを十二分に上回る良い点が多いので総合的には非常に満足しています。骨伝導の「OpenRun / OpenRun Pro」は勧められませんが、「OpenFit」に関しては十分他人に勧められる商品だです。